きかんしゃトーマス【BUCK-TICKの撮影】

(狂気の赤い部屋JUGEM版から転載しました。http://redroomtamago.jugem.jp/)


2014.08.06 Wednesday11:23

【BUCK-TICKの撮影】というおはなし。

ある曇った日の午後、ソドー島は遠い国からのお客様の話でもちきりです。

日本という国から、ロックバンドのBUCK-TICKがくるというのです。

ヒロは日本の友達からBUCK-TICKのCDを送ってもらっていて

いつも聞いていました。

トーマスたちも機関庫で聞いていてとても好きでした。

そのBUCK-TICKが、新曲の『形而上流星』のジャケットの写真にきかんしゃを使いたいというのです。

みんな目を輝かせました。自分が新曲のジャケットの写真に使われたら

どんなにすてきなことでしょう。

BUCK-TICKの話をしていると、トップハムハット卿がやってきました。

「今日はみんなに素敵なお知らせがある。BUCK-TICKが撮影にくるんだ」

「やっぱり本当だったんだ!」とパーシーが汽笛を上げました。

「メンバーを乗せて走るのは私の役目よ」とエミリーは言いました。

みんな口々に、役に立ちたいと言いました。

「しずかに!」トップハムハット卿は言いました。

「BUCK-TICKは機関車の写真を撮るそうだ。今回のアルバムは赤がテーマだそうだから…」

そこまでいうとジェームスが「それなら僕をジャケットにして下さい!僕の車体はピカピカの赤だから!」と口を挟みました。

「話を最後まで聞かんか、ジェームス」とトップハット卿は言い

「赤は赤でも、挿し色なんだ。新曲のジャケット撮影はダグラスにしようと思う。ダグラス、どうだね?」と続けました。

ダグラスはびっくりです。自分がBUCK-TICKのジャケットに使われるなんて思っていなかったのです。

「ありがとうございます!まるで夢みたいだ!」

隣で聞いていたふたごのきかんしゃのドナルドは不満げです。

「ぼくたちはいつも一緒だった。それなのになんでダグラスだけ…」

その日の夕方、BUCK-TICKのメンバーがブレンダムの港にやってきました。

飛行機を使わず船で来たので疲れている様子でした。

ゴードンは、自分がメンバーを乗せるといってはりきりました。

「なんてったっておれさまは一番速い急行列車だからな」

トップハムハット卿は機関庫に来るとエドワードに向かって言いました。

「メンバーを送るために君が行ってくれたまえ、エドワード。君は一度しか脱線をしたことがないから信用ができる。メンバーを乗せるのは信用のできない機関車では困るからな」

とゴードンをにらみました。

ゴードンは顔を赤くし、聞こえないふりをしました。

「信用ができる上に、ボーカルの櫻井男爵はゆっくりと景色を楽しみたいそうだから急行列車ではないほうがいい。エドワード、たのんだぞ」

「おまかせください。BUCK-TICKのメンバーに喜んでもらえるように案内します」

とエドワードは嬉しそうでした。

そのころ、写真撮影を頼まれたダグラスは、洗車をしていました。

「今までで一番ピカピカになるんだ!」と言ってはりきっています。

その様子を見ていたドナルドは、諦めきれない顔で言いました。

「ぼくだって、BUCK-TICKのアルバムに写りたいのになんでダグラスだけ…」

「アルバムに写りたいのは誰だって一緒だ、ドナルド」

とトップハムハット卿がやってきて言いました。

「だが決まったことだから、諦めるんだな」

トップハムハット卿の一言に、ドナルドはとてもがっかりして機関庫に戻りました。

あくるあさ、サドリー駅は撮影で大忙しでした。

大聖堂前に現れたダグラスはとてもピカピカです。

パーシーにジェームス、ヘンリーにゴードン、ディーゼルも集まっています。

みんなBUCK-TICKに会いたかったのです。

ドナルドは、エドワードに乗ったBUCK-TICKを見て言いました。

「わぁ、本物だ!」

みんな口々に、大好きなBUCK-TICKを見て興奮し、汽笛を鳴らし、蒸気を上げました。

辺り一面が蒸気でくもった時、今井伯爵は言いました。

「いいことを思いついたぞ、そうだ、くもらせよう」

それを聞いてトップハムハット卿はドナルドに言いました。

「仕事をしていない機関車をみんな集めてくるように。だが古い橋はゆっくり走るんだぞ」

ドナルドは急いで機関庫に戻り、ジェームスとトビーを呼び、

支線を走っていたエミリーやオリバーにも声をかけました。

レニアスとスカーロイを呼びに山へ行く途中、古い橋がありました。

ここは気を付けて走らなければなりません。

しかしゆっくり走っていては撮影が遅くなってしまいます。

「そうだ、気をつけて速く走ればいいんだ」とドナルドは言い、

スピードを上げて走り抜け、レニアスとスカーロイを呼びにいきました。

「今井伯爵が呼んでいるよ!ぼくについて来て!」とドナルドが走り出した時、

スカーロイは大声で叫びました。

「橋はゆっくり走るんだぞ!古い橋だから!」

そのときダグラスは猛スピードで走っていて聞こえませんでした。

もう少しで橋を渡り終えるところで、なんと橋が壊れていました。

ドナルドは気がつきブレーキをかけましたが間に合いません。

ドシーンという音を立てて、壊れた橋にぶつかり止まってしまいました。

後ろから走ってきたレニアスは「だいじょうぶかい、ドナルド!」と言いました。

スカーロイは「このままでは落ちてしまう、今助けるぞ」と言いました。

ドナルドは橋の上で事故にあったのは初めてです。怖くてたまりません。

車止めが1つつぶれてしまっています。車体の右半分が壊れてしまいました。

作業員がまずレニアスとスカーロイを連結し、次にレニアスとダグラスをつなぎました。

「よーし!ひっぱるぞ!」といって二人はドナルドを引き上げました。

ドナルドは助けられ、壊れた橋とは違う山道を通り、サドリー駅へ向かいました。

サドリー駅で待っていたトップハムハット卿や機関車たちは、

右半分が壊れたドナルドを見て驚きました。

「遅くなってごめんなさい、トップハムハット卿、今井伯爵」

わけを聞いた今井伯爵は、こういいました。

「わたしが言ったことを忠実に守ろうとしてくれた勇敢な機関車だ。

何とかむくいてやりたい。どうだろう」

星野伯爵、樋口伯爵も賛成し、

「いっそ、アルバムの『或いはアナーキー』のジャケットに使ったらどうだろう」

とキング・ヤガミが提案しました。

「それもいいかもな」と櫻井男爵も微笑みました。

その晩、ドナルドの撮影がおこなわれました。

右半分が壊れてしまったけど、ドナルドはとても幸せでした。

このお話に出てきたのは、ドナルド、ダグラス、そして、BUCK-TICKでした。





というお話を書いてみました。

トーマスを知らない人にはちんぷんかんぷんだと思います。

トーマスを知ってる方には「細かい設定おかしくね?」って感じだと思います。

爵位もメンバー内で順位決めるのは変かも知れませんが、

漢字の雰囲気で付けましたので意味はありません。

誰が得をするのかわかりませんが、もし楽しんでいただけたら幸いです。


お話には出てきませんが、ドナルドはその後ちゃんと修理してもらえたそうです。

そして今井伯爵から新しいアルバムが直接届いたただ一台の機関車です。

「双子は仲良くね」とメッセージも書いてあり、

ドナルドが実はやきもちをやいていたことも知っていました。

他のみんなにはCDはトップハムハット卿から配られました。

パーシーは郵便機関車として働いていますが、日本からの小包を見た時

早朝にもかかわらず汽笛を上げてしまって

みんながびっくりして起きてしまったそうです。

その日、寝不足のみんなが脱線事故を起こしたのは言うまでもありません。

日本から来た機関車のヒロは「黒と赤なら私が!」と言っていたそうですが

「日本の機関車なら日本で撮影すればいいんだし」とトップハムハット卿に言われたそうです。

『形而上 流星』の撮影時は、蒸気を上げるのに人一倍頑張っていたそうですよ。

エドワードは、ソドー島を案内している時に熱心に聞いてくれる櫻井男爵が大好きになったそうです。自分のようなおんぼろ機関車でも役に立てることがあると自信に満ちています。

急行じゃなくていい、ゆっくりと景色を楽しみたい客だっているんだ、

櫻井男爵はそう言ってくれました。

ゴードンはその後、キング・ヤガミからのご指名でソドー島を案内しました。

時間は寿命だからな!といって、移動時間を短縮して楽しむキングのことを

ゴードンは大好きになりました。

ジェームスは今井伯爵の赤いギターが大好きになりました。

自分の赤い車体とそっくりだったからです。

赤と金色と黒のギターが自分に似ていると思いました。

しかも今井伯爵もとても輝いています!

いつかまた来てほしいと思っているんですって。

トーマスが出てこなかったと思いますが、

トーマスは大井川鉄道に出張に来ていたので出てこないのです!

実はトーマスは日本でツアーがあることを知っています。

どこかの会場にトーマスが来るかもしれませんね!

まだ「トーマスが見に来ている」という情報がありませんので

これから来るのかもしれません。

いつかな?今日かな?

それはお楽しみ。

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